一方、マルケスは、ダニ・ペドロサと同様に、後輪が浮くブレーキングでしばしばその不死身さぶりを披露します。これは前輪のブレーキングが強すぎて、少なくともそこで本来必要な強さを超えてしまうことが原因です。その瞬間に後輪が浮けば、路面とは前輪だけで接触することになり、マシンの傾きのコントロールは失われます。
リアブレーキの使い方についても、ロッシとマルケスとでは両極端と言えるほどの違いがあります。ロッシはクリーンなブレーキング。ライバルと比べてブレーキは遅めの傾向にあるにも関わらず、後輪がすべることはまずありません。一方、マルケスは、ブレーキペダルをフルに踏み込んであえて後輪をすべらせるようなコーナーワークが好みです。