見せ場をより魅力的に演出するために必要だったのがドリフト専用の補助ブレーキで、8ピストンのモノブロックキャリパーを後輪に2つ追加しました。これらを加えたことで、ブルース・ウェインを演じるスタントマンは、ボタン操作ひとつで左右の後輪を止めることができます。ボタンを押すと空気作動式のブレーキマスターシリンダーが1,800psiのCO2タンクから空気圧を受けて動作し、左右の後輪に取り付けたブレンボの8ピストンキャリパー2個に作用する仕組みです。
本質的には走行中にサイドブレーキを引くことと似ていますが、このシステムを考案した背景には、通常ではしないようなサイドブレーキの使い方でパフォーマンスが下がってしまうのを避けつつ撮影中に繰り返しブレーキ操作ができるようにしたいというねらいがありました。