先週のカタルーニャ戦で2戦連続でのダブルウィン(イタリアGPおよびカタルーニャGP)を達成したアンドレア・ドヴィツィオーゾは、すべてのドゥカティファンの夢を叶えてくれました。
イタリア、ボルゴパニガーレから生まれたこのメーカーが2戦連続での勝利を飾ったのは、実に2010年のケーシー・ストーナー以来のことです。 そうなると、皆さんは気になるでしょう。
「このライダーがここまでのレベルまでカムバックできた秘密が知りたい」と。 昨年のレース前半まで、ドヴィツィオーゾがMotoGPレースで勝利したのはわずか1回のみでした。それが現在、たったの7日間で彼は新たに2回の勝利をおさめ、昨シーズン最後の2016年マレーシアGPでの1回を合わせて計3回の優勝を手にしたのです。
彼のパフォーマンスはここ最近の12~15レースで完全な変貌を遂げましたが、それには様々な要因が関連しているように思われます。 ただ、一見して目立つ部分ではないため忘れられがちなのですが、その成績向上の時期とちょうど重なる出来事としては、ブレンボがドヴィツィオーゾのためだけに、あるテクニカルソリューションを提供したことが挙げられます。
昨シーズンの後半、ドヴィンツィオーゾは徐々にハンドレバーを使ったリヤブレーキのコントロールに慣れるよう訓練を積んでいました。実はこれが、ブレンボのエンジニアたちが彼のためだけに復活させたコンポーネントです。
ここ数カ月のパフォーマンスを見てみると、彼は非常にうまくこのインストルメントを使いこなせるようになっていますが、これは単にブレーキングセクションでバイクのスピードを落とすだけではなく、加速時に車体のバランスを取る上でも大きく役立っています。
また、危険な横滑りの発生を回避するため、彼は最適な状態に補正された「クランプ」を使用して、トラクションコントロールを文字通り「手動」で行っているのです。 では、このちょっと変わったリヤマスターシリンダーをブレンボが設計・製作した理由、つまりこのコンポーネントを使うことで得られるメリットについて、詳しく見ていきましょう。