F1 vs MotoGP:ブレーキで軍配があがるのはどちら?

2016/04/12

サーキット・オブ・ジ・アメリカズでのF1とMotoGPのブレーキレスポンスをブレンボが分析して答えを解説します。

MotoGPとF1、速いのはどちらでしょう?ブレーキで勝るのは?

モーターファンの誰もが気になるその答えは、オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズがいい判断材料になります。

 

2012_USA_GP_circuit_panorama.jpg 

 

2輪と4輪、両方の世界選手権が開催されるサーキットは2つあり、その1つがサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(もう1つはセパン)です(コース長5.513メートル)。ブレンボはMotoGPとF1、両方のカテゴリーでトップチームのサプライヤーとして関わってきた実績があるため、非常に興味深い情報をお伝えすることができます。 まずは、両者のプロトタイプの技術仕様をみてみましょう。

Formula 1 MotoGP
重量702 kg (ドライバー含む)157 kg (ドライバー含まず)
エンジン1600 ccターボエンジン1000 cc自動吸気エンジン
タイヤ13インチ17 インチ
フロントタイヤの幅245 mm125 mm
リアタイヤの幅 325 mm190 mm
ブレーキディスク
278 mm340 mm

 

 ドライバーやライダーを除いたマシンの重量は、F1はMotoGPの4倍で、エンジンもはるかに大型です(さらに電動モーターも搭載)。


 

タイヤは全く異なり、F1マシンの場合はMotoGPと比べると数が多い(2個に対して4個)うえ、トレッドが幅広です。


 

また、トレッドの幅とは別にF1マシンとMotoGPとの差としてあげられるのは、路面に接した状態、つまりタイヤがアスファルトに接触する面積が、4輪用タイヤと2輪用タイヤでは製法の違いで大幅に差があることです。


 

路面のタイヤ痕は、F1マシンの場合はタイヤ幅と一致しますが、MotoGPではトレッド幅のほんの一部分です。

 

 
2015年のオースティンでのラップ記録を比較してみましょう。                            
Formula 1 MotoGP
最高レースタイム1’40’’666 2’04’’251
最高速度
332,3 km/h 344,2 km/h

                  
最高速度はMotoGPがF1を上回っています。


 
 

MotoGPは、本質的に2つのポイントで限界があります。


 

1)  コーナー手前で減速する際に要する時間

2)  コーナリング時の速度

 

この2つのポイントはおもに以下に起因します。

 

A) 2輪と4輪ではダイナミクスに差があり、MotoGPでは車両の傾きの限界を考慮する必要があること


 

B) 空気力学上の負荷が、MotoGPにはないもののF1では減速度に非常に大きく影響するという重要な違いがあること


 

C) タイヤ痕が2輪と4輪では明確に違うこと


 
1つめのポイントを詳しくみるために、過去のオースティンでブレンボが取得したデータから、3箇所を例に取り上げてみましょう。
Formula 1MotoGP
第9コーナーの制動時間0.9秒2.2秒
1第11コーナーの制動時間1.5秒4.6秒
第12コーナーの制動時間1.4秒 5.9秒

                        

 

2つめのポイントの代表例として、同じくオースティンサーキットでのブレーキ時の速度を以下にあげてみます。


 

Formula 1 MotoGP
第1コーナー入口の速度73 km/h60 km/h
第19コーナー入口の速度169 km/h115 km/h
第20コーナー入口の速度95 km/h75 km/h


                             

オースティンでは制動距離もバイクの方が明らかに長くなっています。


                             
Formula 1 MotoGP
第1コーナーの制動距離126メートル206メートル
第12コーナーの制動距離128メートル300メートル
第19コーナーの制動距離70メートル115メートル

 



グランプリレースをサポートするブレンボの技術者によると、オースティンではMotoGPのブレーキ動作の割合はレース全体の23パーセントなのに対し、F1では18パーセント。この違いは当然で、これがラップタイムの差に大きく影響します。


 

説明すると単純なことですが、F1マシンの場合、ブレーキ時に車両がバランスを崩すことはなくブレーキトルク全体を路面にすばやく放出させられますが、MotoGPの場合は2輪なので転倒のリスクがあるため少量ずつ放出せざるをえません。p>


 

また、F1マシンの場合は、4輪それぞれが、MotoGPマシンの4倍を軽く超える幅のタイヤ痕を残します。当然、タイヤ痕が広ければ、その分ブレーキトルクを路面へ放出する機会が多いということです。

 

 

このため、ライダーやドライバーが行う減速は自分の操るマシンの特性に一致するのです。

Formula 1 MotoGP
平均減速4G0,8G
最大減速(第12コーナー) 5,7G 1,8G


オースティンでのF1とMotoGP、2つのカテゴリーで唯一共通する要素は、ブレーキシステムからみた難しさで、ブレンボの技術者は、両者とも難易度中 というランクをつけています。


 

Brembo S.p.A. | P.IVA 00222620163

Follow us

Follow us on FacebookTwitterYouTubeLinkedInPinterestInstagramYoukuWeibosnapchat.pngVKwechat.png