2017 F1オーストリアGPのブレーキングはラップ前半が勝負どころ

2017/07/07

 ブレーキシステムの難所が1区間に集中するレッドブル・リンク

F1の舞台はカスピ海を離れ、ヨーロッパの中央部に戻ってきます。

第9戦オーストリアGPの開催を待つのはレッドブル・リンク。2011年5月にオーストリア・シュタイアーマルク州のシュピールベルク近郊に開設されたサーキットです。


 

全長は、プダペストのハンガロリンクやモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットとほぼ同じですが(4.3km+数十メートル前後の差)、このレッドブル・リンクが他と異なるのは、F1の開催地のうち、ラップタイムが70秒を切る唯一のサーキットだということです。

昨年、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した予選タイムは1分7秒922でした。
このように速いタイムが出る背景には、マシンのスピード自体はもちろんですがコーナーが少ないことも関係しています。

ブレーキの操作に1秒以上を要するブレーキングポイントはコース上に3か所しかありません。

起伏が多くブレーキのタイミングが難しいことも特徴で、実際に全体の高低差は65メートルもあります。

ブレンボの技術者らの分析では、F1の開催地20か所のサーキットをブレーキの難易度でランク付けした場合、このレッドブル・リンクは難易度高ランクのサーキットで、1~10の難易度指数のうち8をつけています。

同じスコアのサーキットにはモンツァやメルボルン、そして旧ソビエト連邦内の2か所、すなわちソチとバクーがあります。

 

 
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レース中のブレーキの使い方

ブレーキは1ラップで7回使用します。総時間では9.5秒未満で、モンツァを0.4秒上回ります。スタートからゴールまでの合計では11分間。これはレース全体の15%に相当します。

ラップの後半、すなわち第4コーナー(Rauch)以降は、ブレーキの使用はさらに減ります。
具体的には前半が6.5秒、後半が3秒未満と大きな差があります。 最大減速度もラップの前後半で異なり、前半では平均4.7G、後半は3.9Gとなっています。

コース全体の平均では4.2Gで、バルセロナと同程度です。 ブレーキ時に放散されるエネルギーをレース全体で合計すると、ドライバー1人あたり166 kWh。これはロデオマシン55台分の動作に必要なエネルギー量と同じです。

ドライバーがレース中にブレーキを操作する回数は合計で500回を下回ります。
ブレーキペダルにかかる力の総量は68トン。2016年に世界各国で販売されたモーツァルトのCDの総重量の3倍を超える重さです。


 

最難関のブレーキングポイント

レッドブル・リンクの7か所のブレーキングポイントのうち、最難関は3か所、難易度中と難易度低が各2か所です。 ブレーキシステムにとっての最難関は第3コーナー(Remus)です。時速307キロでアプローチし、2.4秒間のブレーキ操作で時速76キロまで減速します。

このときブレーキペダルを踏む力は161kg、ドライバーの体には4.7Gがかかります。走行距離は65メートル。これはザルツブルグ大聖堂の長さの3分の2程度に相当します。
減速度が4.7Gに達するブレーキングポイントは、他に第1コーナー(Castrol)と第4コーナー(Rauch)の2か所があります。どちらも手前にストレートがあってアプローチスピードは時速317キロに達します。
ただし、コーナー入口の進入速度は第3コーナー(Remus)よりも速く、第1コーナーでは時速137キロ、第4コーナーは時速106キロとなっています。

第4コーナーでは、ブレーキの操作時間は2.32秒、ブレーキペダルを踏む力は159kgを要します。
一方、第1コーナーでは操作時間は1.77秒と第4コーナーより短いものの、逆にペダルを踏む力はより大きい164kgを要します。


 

ブレンボの戦績

オーストリアGPは、ブレンボ製ブレーキを搭載したF1マシンが現在5連勝中です。

セバスチャン・ベッテルにもまだ優勝経験のないサーキットが若干数ありますが、このレッドブル・リンクはそのひとつです。


 

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