初めて明かすスーパーバイクのブレーキに関する7つのポイント

2017/01/31

ビッグサイズ志向のサイクス、EVO好みのレイ。自分では装着しないデイビス。ブレンボ製ブレーキに関するトップライダーたちの好みと傾向を一挙公開

スーパーバイク選手権2016が閉幕した今、われわれファンはしばらく禁断症状に苦しみそうです。この先の4カ月間さびしい思いで過ごす皆さんのために、スーパーバイクのブレーキシステムに関する話題をいくつかご紹介しましょう。

日頃ライダーたちをサポートしている経験豊かなブレンボの技術者だからこそお伝えできる、皆さんがこれまであまり目にしてこなかったような話しのネタです。これをご覧になれば、知り合いや友人たちから一目置かれること間違いなし。

もしかして業界の関係者なのではとさえ言われるかもしれません。 冗談はさておき、さっそくとっておきの本題に入りましょう。


 
 

1) トム・サイクスは最大サイズのブレーキを使用している唯一のライダーです。カワサキで参戦した2013年シリーズの破竹の好成績は、使用したディスクに秘密があります。

サイクスが長年使用しているのは336mm径7.1mm厚のディスクです。

一方、ライバルたちが使用するディスクは328mm径か336mm径のどちらかですが、厚さはいずれも6.5mmです。


 

2) ディスクの径2種類と厚さ2種類、これらの4通りの組み合わせにはそれぞれ長所と短所があります。ブレ―キングがソフトなライダーは、336mm径よりも軽量の328mm径が好みです。

一方、ブレーキを強くかけるライダーは、圧力を多く加えられる径の大きいディスクを選びますが、この場合、重さの面で代償を払うことになります。

厚いディスクはその分重量があるため、ジャイロ効果が高まってしまいます。

 

 
 

3) ダビデ・ジュリアーノ、ジョルディ・トレース、レオン・キャミアはフロントにラジエーターパッドを使用しています。これはブレーキフルードの過熱のリスクを減らすという重要な利点があるほか、おもにピットでタイヤ交換がすばやくできるという理由で使われます。

事実、ラジエーターパッドはピストンに固定されているため、タイヤを取り付ける際に曲がったり、ディスクの内周にはさまったりする心配がありません。

パッドの固定にスプリングを使うライダーもいますが、その場合精度は下がります。

ただ、ラジエーターパッドは通常のパッドより若干重く非対称で、その点が好まれないようです。


 

4) ステンレス製ブレーキディスクの最適動作温度範囲は370~560度です。

これより低温ではブレーキレバーのレスポンスが不安定になります。

推奨温度を40度程度超えると、システムは引き続き動作しますが、パッドの消耗は早まります。

さらに高温になると、ブレーキの故障のリスクが高まります。

 

 
 

5) ジョナサン・レイはEVOキャリパーを使用しています。ブレンボのブレーキシステムが好みのライダーがよく使うキャリパーです。

パッド面が標準のキャリパーの4分の1相当分広くなっています。素材(レギュレーションでアルミニウムに限定)とピストンの数(4ポット)は同じです。

ブリードがしやすいようEVOキャリパーも取り付けがすばやくできる仕様になっています。


 

6) ライダーがピットに戻ってくると、ブレーキシステムの温度をチームがリアルタイムで分析します。

MotoGPとは異なりパイロメーターは使用しません。ステンレス製ディスクの場合結果に狂いが出る可能性があるからです。

そのため熱変色性コーティング剤を使用してディスクの分析を行います。キャリパーにも使い切りタイプの熱変色性ステッカーを貼ります。

 

 
 

7) チャズ・デイビスは自分ではディスクとパッドの装着をしないライダーの一人です。

ブレンボのZ04ブレーキパッドを400~500キロまで使用し、ディスクは1セットを1500キロ、負荷の低いサーキットでは2000キロまで使用します。

そのためにはディスクやブレーキパッドの完璧な装着が不可欠です。オフィシャルチームがテストチームを持っている場合、装着をテストライダーに任せるケースは少なくありません。


 
 

以上は機密情報につき10秒で消えます。人に教えるなら口頭で。


 

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