F1のブレーキの進化

2016/03/30

KERSからベンチレーション・ホール1200個のディスクまで:最近7年のF1でブレンボが発揮したイノベーション

2016年のF1開幕を目前に控え、ブレンボは今年もトップチームと肩を並べて活躍するための準備に取り組んでいます。2016シーズンでブレンボが発揮するブレーキシステムのイノベーションに期待して、これまでF1のブレーキシステムがどう進化したかを、ブレンボ製ブレーキ採用のマシンがドライバーズとコンストラクターズの両部門でチャンピオンを獲得した過去7年で振り返ってみましょう。


 

2009年:リアブレーキの軽量・コンパクト化


大きさがどうであれ、ブレンボは、ブレーキシステムの供給先のどのチームもベストコンディションに導きます。事実、この2009年はブラウンGPが制しています。


レギュレーションの変更でウィングの領域が制限されたために空力学的ダウンフォースが減りました。一方でタイヤがスリックに戻り、メカニカルグリップが上がりました。 また、KERSシステムが初めて導入されました。その結果、マシンの前車軸にかかる荷重が増え、2008年には55~60%だった荷重の割合が60~65%まで増加しました。

 

ブレンボは、リアブレーキのキャリパーを前年よりも軽量・コンパクト化して、ブレーキシステムの制御性を向上させました。また、摩擦材の仕様を変更し、トルクと温度の変化による後車軸への影響を低減しました。


2009年、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは、17戦中15戦で優勝しました。


 

 

 

2010年:重量増加によるブレーキの負荷の増大


サプライズ続きのこの年は、レッドブル時代の幕開けとなりました。唯一変わらないのは、チャンピオンがブレンボ製ブレーキを採用していることです。


2010年のレギュレーションでは、マシンの最低重量が増え(燃料とドライバーを含めて605kgから620kgに増加)、レース中の給油を禁止。したがってタンクの容量が100リットルから230~240リットルに増加して、必然的にマシン全体のバランスが変わりました。それに加えて前輪の幅が20mm縮小され、マシン前方部分の荷重が53%になりました。

ブレンボの技術者は、エネルギーの放散性を改善し、荷重の状態や温度条件にかかわらず効率を高水準に保てるシステムの開発に全力を注ぎました。その結果、燃料を満載していない予選でも、満タン状態のスターティンググリッド上でも、ブレーキシステムが最適な性能を発揮できるようになりました。


素材もシステムも、幅広い温度条件で動作するように設計しています。


 

2010年、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは、19戦中14戦で優勝しました。


 

 
 

 

2011年:ブレーキシステムの重量削減と新素材


2010年の優勝に続き、レッドブルがまたも大活躍で2011年も制しました。ブレーキはブレンボを引き続き採用しています。

この年、F1には大変革が起こりました。タイヤのサプライヤーがピレリからブリジストンに変わりました。可変フロントウィングは廃止され、ダブルディフューザーとFダクトも禁止になりました。


 

代わりにKERSが復活し、さらにDRSが新たに導入されました。これはオーバーテイクの回数を増やすための試みとして、前のマシンとの差が1秒以内であれば数秒間リアウィングを作動させることができるしくみです。が復活したことで、荷重が後車軸から前車軸に戻り、結果的にフロントブレーキへの依存が高まりました。


 

2009年のKERSでノウハウを深めたブレンボは、ブレーキシステムの構成部品の剛性を高め、同時に重量を減らすことに成功しています。キャリパーは1.6kg、ブレーキディスクは1.4kgまで軽量化しました。ブレーキパッドの摩擦材の開発も継続しています。


2011年、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは、19戦中13戦で優勝しました。

 

 

2012年:ブレーキシステムの通気性の向上


2012年は、最終戦まで激しいタイトル争いを演じた2チームのいずれもがブレンボの供給先でした。最後はベッテルのレッドブルが、アロンソのフェラーリを抑えてチャンピオンとなりました。


FIAのレギュレーションの変更でブロウンディフューザーが禁止されたため、リアの空力荷重が減りました。タイヤも変わり、接地面が角ばった形状でコンパウンド間の差が少ないタイヤになりました。さらに、ノーズの高さの上限が62.5cmから55cmに下げられました。

 

F1マシンの形状と設計仕様にさまざまな変更が加わったことで、ブレンボはブレーキシステムに対して(剛性とホイール内の気流の制御の面で)一層のカスタマイズを迫られ、シーズンを通して開発が続きました。一方で、ディスクのベンチレーション・ホールは個数が増え、1年で200個から600個にまで大幅に増加しました。 これはベンチレーション・ホールのデザインが一気に進化したためで、個数が増え、穴の径が小さくなったことで、気流が接触するカーボンの表面積が増加し、その結果、熱の放散が急激に向上しました。


2012年、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは、20戦中11戦で優勝しました。p>


 

 

 

2013年:ブレーキシステムの摩耗の減少とディスクの通気性の向上


ルノーエンジンを搭載したレッドブルの黄金期は2013年で一区切り。堂々の4連覇となりました。ブレンボにとっても喜びはひとしおです。


今回はレギュレーションの変更は最小限でした。タイヤが全体で2kg重くなり(マシンの最低重量は640kgから642kgに増加)、デグラデーションが進みやすい柔らかめのコンパウンドになりました。2012年に一部のチームが採用したダブルDRSが禁止になりました。 ブレンボは新しいCER素材を導入しました。この素材は従来のCCRに比べて、最適な動作温度に達するまでのウォームアップ時間が短く、使用範囲が(プレッシャーと温度の両面で)広いことと摩擦のレスポンスが非常に直線的であることが特徴です。  摩耗度が非常に低いため、スタートからゴールまで安定した性能が持続しやすくなっています。  通気性の改善も進み、1枚のディスクの穴の個数は1000個を超えました。


2013年、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは、19戦中ほぼ全勝に近い18戦で優勝しました。

 

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2014年:ブレーキバイワイヤの導入で求められるブレーキシステムの再設計


2014年、初優勝から60年の年月を経てメルセデスが世界の頂点に立ちました。 F1に大きな変化が生じました。1988年に姿を消したターボエンジンが復活しました。しかし、エネルギー回生システムとの連動という初めての試みです。ERSをKERSと併用して排気管内のターボの排熱を回収します。F1マシンの最低重量は、642kgから690kgへと大幅に増えました。パワーユニット内の補助的な馬力を利用するため、ブレーキバイワイヤシステムが導入されました。しかしF1マシンの重量がかなり増えたため、ブレンボの技術者は、ブレーキシステムの再設計を迫られました。特にリアはKERSとの組み合わせで問題を起こさない設計にする必要がありました。 特に、リアのブレーキディスクは、前年より径が小さくなり、重量とプレッシャーに対する反応速度の面で改善が図られました。


2014年、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは、初めて19戦すべてで優勝しました。


 

最新型ブレーキディスク、新型キャリパー、そしてブレーキバイワイヤの進化


今年は、フェラーリが健闘したもののメルセデスがトップの座を守りました。
FIAは車体サイズを再び変更し、最低重量を702kgまで引き上げ、ノーズの高さを85cm以上としました。しかし何より重要だったのは、パワーユニットの馬力が上がって形勢の逆転をもたらしたことでした。


ブレンボはブレーキディスクに新素材を導入して、摩耗を抑えるとともにスタートからゴールまで安定して性能を発揮するCER 300のレプリカを開発しました。ディスクの空冷性もさらに改善するため、ベンチレーション・ホールの数をディスク1枚あたり1200個まで増やすとともに、ハットとディスク間の接合も強化して構造耐力を向上させています。またアルミニウム・リチウム合金キャリパーを新たに導入し、性能を格段に上げたことも重要でした。さらにブレンボは、ブレーキバイワイヤの部品を各種準備し、アクチュエーターやバルブ、剛性シミュレーターなどをチームごとに供給しました。

 

2015年も、ブレンボ製ブレーキ採用のF1マシンは再び19戦すべてで優勝しました。

                               

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