そうです、世界最大級のエレクトロニクス見本市でソニーのCEO吉田憲一郎氏が発表したのは、なんとクルマ。ソニーが開発したEVコンセプト車、VISION-Sです。ソニーの技術を満載した4ドアクーペで、ブレーキにはブレンボ製が採用されています。
VISION-Sは、単にあのソニーが創ったコンセプト車というだけではありません。また最近発表された他のEV車の枠にとどまるものでもありません。ソニーがモビリティ分野の安全性、信頼性、快適性、そしてエンターテインメント性を追求して積み重ねてきた業績を余すところなく盛り込んで形にしたもの、それがVISION-Sであり、この車を含めて「VISION-S」と銘打った新たなイニチアチブをソニーは提唱したのです。

「VISION-S」プロジェクトの一環としてソニーが新たに開発し、ラスベガスのCES 2020で発表したプロトタイプ車には、同社のセンシング技術・イメージング技術が満載されています。また、遠距離通信技術やクラウド技術に加えて同社のAIで制御する車載ソフトウェアも備え、常時の更新と機能の向上を実現するとしています。
プレゼンテーションでは、ソニーのAIで制御するオンボードソフトウェアがVISION-Sにどう組み込まれているかの詳細がわかりやすく解説されました。車両そのものは未来的なフォルムではありながらも200kWのデュアルモーターを搭載し、停止状態から時速100キロ(62mph)までわずか4.8秒の加速と最高時速240キロ(149mph)を実現するとしています。最新の運転支援用AIはもちろんのこと、5Gのコネクティビティも完備し、その他の対応機能についても紹介されました。
CESに出展された車両では、ブレンボのフロント6ピストンブレーキキャリパーの赤い塗装がひときわ目を引きます。このような未来的な車に対応するブレーキシステムの完成品はもちろんまだ先の話ですが、いま明らかに言えるのは、未来のクルマがこれからもたらすあらゆる課題に対して、ブレンボが果敢に取り組む用意があるということです。
現在、ブレーキシステムは未来へ向かうクルマの発展に呼応して、油圧から電動へと移行する時期にあります。ブレンボは、車両用ブレーキシステムにおける真の変革を目指して先導的な役割を果たしていきます。クルマが大きく変わろうとするこの流れに適応するソリューションをめざし、ブレンボはこの20年ほどの間、開発に注力してきました。
その取り組みによって業界トップの地位を獲得したブレンボは、電気自動車からさらには自動運転車へと、単なる進化ではなく大変革を世界が求めるなかで、あらゆるチャンスをとらえていきます。ブレンボはこれまでブレーキシステム分野における改革の旗手として、しばしば自動車界のトレンドの原動力となり、またユーザーのニーズを先読みして、ユーザーと社会をモビリティの未来へと牽引してきました。
