ピニンファリーナのバッティスタ:ブレーキはブレンボ製

2021/03/02

 B-M6とCCM-R:ブレンボの神髄をイタリア車史上最高出力性能のフルEV、バッティスタに投入

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世の中には、革新的な特徴で人々の心をとらえて歴史に名を残す宿命の名車というものがあります。​


アウトモビリ・ピニンファリーナが生んだバッティスタは、間違いなくそのうちの1台。最大トルク2,300Nm、1,900馬力という驚愕の出力は、イタリアが生んだスポーツカーで最高の性能です。このフルEVハイパーカーの駆動を担うのが、各車輪に1基、合計4基の電気モーターで、電力は容量120kWhのリチウムイオンバッテリーで供給します。​


過去約60年の間、自動車界で大改革が起きるたび、そこには必ずブレンボの存在がありました。そんなブレンボだからこそ、世界の名だたる大手自動車メーカーからブレーキシステムのOEMサプライヤーとして選ばれています。アウトモビリ・ピニンファリーナも、ブレンボの革新的なデザインと優れた技術力に高い信頼を寄せて、ブレンボのブレーキを選択しました。この提携でバッティスタは、電動ハイパーGTカーとして世界で初めてブレンボのCCM-Rカーボンセラミックブレーキディスクを搭載。イタリアのこの名車が持つ究極の高性能のポテンシャルを向上させています。​


 

形状と機能が完璧に調和したデザイン​


フルEVとして前代未聞の性能を持つハイパーGTカーを制御するためには、状況がたとえサーキットのように過酷であろうと常に安定した性能を発揮できるブレーキシステムが必要です。今回ブレンボのブレーキシステムが採用されたことで、デザインとテクノロジー、この2つの創造性を融合させる手腕で世界的に知られるイタリアのレジェンド2社が、いわばマリアージュ(結婚)したことになります。​ ​



 

 

抜群の軽量性​


ピニンファリーナのバッティスタが搭載する電気モーターは、停止状態から時速100キロまで2秒未満での加速が可能という驚くべきものですが、ブレーキシステムも負けてはいません。ブレンボのB-M6キャリパーに、同じくブレンボのCCM-Rカーボンセラミックブレーキディスクを組み合わせました。ちなみに製造には実に8カ月を要します。​



 

この最新世代のカーボンセラミックブレーキディスクは、超高性能のハイパーカー専用に設計されたもので、重量を14パーセントも減らすことに成功しています。簡単に言えば、車両が3.4kg軽くなり、回転質量も減ることになります。この軽量化で加速が向上し、ハンドリングも軽くなります。また、バッティスタでは、ダイナミックでありながらなめらかな車体表面においても大幅な軽量化を実現しています。​


性能へのネガティブな影響は全くありません。F1グランプリレースで使用されるカーボンブレーキディスクにほぼ匹敵する性能を有するうえ、使用寿命と多用途性の点ではF1仕様のブレーキディスクより優れています。ブレンボのCCM-Rディスクの場合、十分な性能を発揮できるまでの温度上昇が少なくて済み、また熱伝導率が極めて高いため、サーキットのような過酷な環境での使用に特に適しています。​


カーボンセラミックブレーキディスクは、従来の鋳鉄製やスチール製のブレーキディスクとは異なり、流体力学に基づく計算技術を適用することで極めて高い熱放散性を確保しています。これにより、高い制動力とペダルの感触の安定性、摩擦材の摩耗低減を実現しました。CCM-Rではこれらをさらに向上させています。​


 

驚愕の性能​


ブレンボのB-M6キャリパーは、鋳造工程に4D技術を導入することで、インゴットからの削り出し製法によるレース仕様のキャリパーと同様の特性を獲得しました。従来の鋳造製法のキャリパーに比べて、制動トルクも熱容量も大幅に向上しています。​



 

そのため、公道でもサーキットでも高レスポンスでシャープなブレーキングが可能です。キャリパーの剛性が極めて高いことと、ブレーキパッドに加わる力を対向する6個のピストンでバランスよく分散させて摩擦面の摩耗をより均一にできることが、こうした強みを生み出しています。​


アウトモビリ・ピニンファリーナのバッティスタ。あらゆる意味で目が離せない、その天性の魅力をブレンボが支えています。​



 

 

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