2018ブレーキパフォーマンス世界ランキングベスト35

2018/09/11

 ドイツの自動車専門誌『アウト・モトーア・ウント・シュポルト』が選ぶ、ブレーキパフォーマンスに優れた世界の名車59、そのうち48車種がブレンボ製ブレーキを搭載

​​​​​​​​​​​​デザイン、スピード、そして価格に至るまで、今年のランキングがそろそろ気になってきた人も多いはず。 ​
そんな皆さんに我々ブレンボが今回紹介するのは、ちょっと違った観点から、ついつい目が向いてしまうランク付け、そう、ブレーキパフォーマンスに優れた59車種のランキングです。

カーマニアにとってはバイブルとも呼ぶべきドイツの自動車専門誌『アウト・モトーア・ウント・シュポルト』。隔週刊のこの雑誌が、今回「時速100キロから完全停車までの制動距離が世界で一番短い車はどれか」をテーマに、上位のデータをランキングにして発表しました。

 


数日間にわたって各車のテストを実施しました。いずれも成人2名が乗った状態で急停車を9回行ってブレーキを温めた後、10回目を計測の対象としました。テストの結果、わずか33メートル未満の完全停車を59もの車種が達成し、今回のランキングが完成しました。そのうち、全体の81%にあたる48車種がブレンボ製ブレーキ搭載車でした。

ブレンボのブレーキパーツを1つでも使用している車なら、システムを詳しく説明できますが、そうでない車については、順位と車両の技術仕様しか記載できず、せっかくの実力比較をつまらなくしてしまうわけにはいきません。


 

公平を期すためにお伝えしておきたいのは、ブレーキ性能は、使用するキャリパー、ディスク、マスターシリンダーだけで決まるわけではない、ということです。システムの構成が同じでも、車重、空力、そしてもちろんタイヤによって結果は変わります。そこで我々は、各車のエンジン、タイヤ、乾燥重量を明記することにしました。ブレンボ製のパーツを搭載した車については、ブレーキシステムの仕様とその利点も添えてあります。

アウト・モトーア・ウント・シュポルト』誌のランキングでは、同じ車種のバージョン違い(例:ポルシェ991は10バージョン)もカウントされています。そこで、バージョン違いは同じ車種としてまとめ、ブレーキ性能が最も高かったバージョンだけを考慮しました。その結果、ランキングは車種別で35位までとなり、それらを下位から上位の順で並べました。

 


集計方法に関する注記:テスト結果が同じだった車は、車重を基準にして重い方を上位としました。時速100キロから同じ制動距離で完全停車した車が複数ある場合、車重の大きい方がブレーキシステムの負荷も大きいというのがその理由です。前置きが長くなりました。では、さっそくランキングを見てみましょう。


 

35位 ロータス・エヴォーラ+エヴォーラS ― 32.9メートルで時速100キロから完全停車


主な仕様
エンジン:3.456リッターV6ターボエンジン、最高出力350馬力/7,000rpm
タイヤ:フロント225/40/18、リア255/35/19
重量:1,437 kg(乾燥重量) ​


 

34位 アウディA5クーペ2.0 TFSIクワトロ ― 32.9メートルで時速100キロから完全停車


主な仕様
エンジン:1.984リッター4気筒エンジン、最高出力252馬力/5,000rpm
タイヤ:フロント、リアとも225/50/17
重量:1,500 kg(乾燥重量)


 
 

主な仕様
エンジン:2.497リッター水平対向4気筒エンジン、最高出力350馬力/6,500rpm
タイヤ:フロント235/40/19、リア295/35/19
重量:1,355 kg(乾燥重量)

このスポーツカーの優れたブレーキ性能を支えているのはモノブロックキャリパーです。フロントに6ピストン、リアに4ピストンを使用しています。
今回のテストに参加したバージョンは、Brembo SGL Carbon Ceramic Brakes社製の350mm径カーボンセラミックディスクを組み合わせていました。
モノブロックキャリパーは、剛性が高く軽量で、制動距離を低減できるうえコントロール性に優れています。


 
 

主な仕様
エンジン:1.984リッター4気筒エンジン、最高出力280馬力/6,200rpm
タイヤ:フロント、リアとも235/35/19
重量:1,390 kg(乾燥重量)

スポーツタイプのコンパクトカーには、ブレンボのブレーキシステムは必須です。
280馬力のこの車は、ブレンボ製4ピストンキャリパーを含むSub8パフォーマンス・パックの装着によって、この種の車として最大限の軽量性と抜群のブレーキ性能を確保しています。
ブレンボ製ブレーキを搭載しながらこれほどのコンパクトさを実現し、大型の高級車と肩を並べるブレーキ性能を発揮できている事実は我々にとっても驚きです。


 
 

主な仕様
エンジン:3.436リッター6気筒エンジン、最高出力320馬力/7,200rpm
タイヤ:フロント235/40/18、リア265/40/18
重量:1,464 kg(乾燥重量)

ダカール・ラリー、FIA世界耐久選手権、あるいは公道仕様車であろうと、ポルシェが差をつけたいと思うなら、頼りになるのはブレンボ製ブレーキ。
かねてより数々のレースでも、また日常でも、この車はブレンボを味方につけています。
装着したブレンボの固定式キャリパーは、フロント、リアとも4ピストンで、数本が対向ピストンとして作動するため、パッドの動作精度が向上し、摩擦面の摩耗の偏りが少なくなります。
注記 この車種は、ケイマンGT4でもランクインしています(32.9メートルで時速100キロから完全停車)。


 
 

主な仕様
エンジン:1.991リッター4気筒ターボエンジン、最高出力381馬力/6,000rpm
タイヤ:フロント、リアとも235/35/19
重量:1,480 kg(乾燥重量)

ドイツ製の電子部品がぎっしりと詰まったこの怪物も、ブレーキとなるとイタリアの技術なしでは済まないようです。
フロントに350mm径の鋳鉄製ベンチレーテッドディスクをブレンボの4ピストン固定式キャリパーと組み合わせて装着しています。
ブレンボのキャリパーとディスクの製品品質は、性能の要件と快適性・ルックスの要件との両立を実現させています。


 
 

主な仕様
エンジン:6.208リッターV8エンジン、最高出力631馬力/7,400rpm
タイヤ:フロント275/35/19、リア325/30/20
重量:1,674 kg(乾燥重量)

このブラックシリーズの驚愕の性能には、並みのブレーキではとうてい太刀打ちできません。
繰り返しの使用で高温に達しても変形が生じにくいブレンボのカーボンセラミックディスクは、この車には必須。フロントに402mm径、リアに360mm径を使用しています。
キャリパーは、フロントに6ピストン、リアに4ピストン。
いずれも軽量性と性能の面で利点が際立つモノブロック製法の固定式キャリパーです。 ​


 
 

主な仕様
エンジン:3.493リッター6気筒エンジン、最高出力580馬力/6,500rpm
タイヤ:フロント245/35/19、リア305/30/20
重量:1,725kg(乾燥重量)

限界ギリギリのブレーキングがお約束のこのスーパーカー。
頻繁に使用しても衰えない十分な制動力が必要です。 そのカギを握るのが、ブレンボのアルミニウム製モノブロックキャリパーです。
鋳造アルミニウムのインゴットから削り出して形成したこのキャリパーは、剛性が抜群に高く、変形に強いのが特徴です。
今回の『アウト・モトーア・ウント・シュポルト』誌のテストでマシンが装着していたディスクはカーボンセラミック製です。
この素材は、ブレンボが2002年以降ブレーキディスクの製造に採用しているもので、軽量性と制動力の高さが特徴です。
ブレーキシステム全体の重量を最小限に抑えながら、安定したパフォーマンスを発揮します。


 
 

主な仕様
エンジン:5.204リッターV10エンジン、最高出力525馬力/8,000rpm
タイヤ:フロント235/35/19、リア295/30/19
重量:1,750kg(乾燥重量)

アウディのプロトタイプカーは、ル・マン24時間耐久レースをブレンボのブレーキシステムで13回も勝利しています。
この喜ばしい実績を公道仕様のスーパーカーにも反映して、ブレンボのブレーキシステムが採用されています。
今回のこのテスト車も、ブレーキシステムはブレンボ製。
フロント380mm径、リア356mm径のいずれもカーボンセラミックディスクに、モノブロックキャリパーをそれぞれ組み合わせています。
ブレーキシステムは、制動力の持続と快適性を確保するために、数多くのパーツが高度に一体化し連動して、最大限の効果を発揮することが求められます。
ブレンボは独自のシステムアプローチでこの高度な一体化を実現しています。
その秘密は、ブレーキの動作に関わるパーツ(ディスク、キャリパー、ブレーキパッド、ハブキャリア)をブレンボはすべて自社内で製造・組立できることにあります。
世界の超一流のプレステージカーが求める軽量性、制動力、快適性、デザイン性の融合をめざし、各パーツを完璧に一体化したモジュールに仕上げて供給しています。


 



 

 

主な仕様
エンジン:1.742リッター4気筒エンジン、最高出力240馬力/6,000rpm
タイヤ:フロント205/45/17、リア235/40/18
重量:895kg(乾燥重量)

このような軽量の車には、応答性と操作性に優れたブレーキパーツが必要です。
今回の高結果をアシストしたのは、フロントに装着したブレンボのアルミニウム製4ピストン固定式キャリパーです。
コンパクトなサイズのキャリパーに、プレス製法と鋳造を合体させたブレンボのCo-cast製法によるドリルドディスク(305mm径、292mm径)を組み合わせて、軽量性と制動力の持続を実現しています。 ​


 

<25位 ロータス・エリーゼ・クラブレーサー 32.4メートルで時速100キロから完全停車


主な仕様
エンジン:1.598リッター4気筒エンジン、最高出力136馬力/6,800rpm
タイヤ:フロント175/55/16、リア225/45/17
重量:876kg(乾燥重量)


 

24位 BMW・M3 CSL (E46) – 32.4メートルで時速100キロから完全停車

主な仕様 エンジン:3.246リッター6気筒エンジン、最高出力360馬力/7,900rpm タイヤ:フロント235/35/19、リア265/30/19 重量:1,385kg(乾燥重量) ​