パワフルで美しいです。オートバイについて語るとき、回りくどいことを言う必要はありません。馬力とトルクには愛好家にとって常に抗しがたい魅力があります。

とはいえ、世界一パワフルなバイクを手に入れることはできるが、ドラッグレースしかしないという場合なら別ですが、通常、ブレーキは安全性だけでなく性能も重要です。MotoGPライダーはそれをわかっており、2016年以降、彼らは満場一致でブレンボのブレーキシステムを採用しているのは偶然ではありません。

実際、エンジンパワーのおかげで加速において得られたマージンは、タスクに見合わないブレーキシステムによって無駄になり、制動距離が長くなる可能性があります。

世界の大手オートバイメーカーは、このような極めて重大な問題をすべて認識しているため、フラッグシップモデルにブレンボのブレーキシステムをオリジナル装備として採用しています。これは、世界で最もパワフルな純正オートバイの上位5機種が、それぞれのニーズに適合したブレンボのブレーキシステムをオリジナル装備として搭載しているという事実が証明しています。

世界で最もパワフルなオートバイを扱っているときでさえブレンボブレーキの性能と信頼性を証明するコンビネーション。

それでは、市場で最もパワフルなバイクの上位5機種と、それらに搭載されているブレンボブレーキの種類を紹介しましょう。

第5位:MV AGUSTA BRUTALE 1000 SERIE ORO(208馬力)

ブルターレが登場したとき、「スポーツネイキッド」という言葉の意味が再定義されました。Brutale 1000 Serie Oroの登場は、MVアグスタのスーパーバイク世界選手権での経験のすべてを活かし、さらに高いハードルを設定しました。このエディションは300台限定であり、低摩擦セグメントがあるピストンから刷新されたエンジン、再設計された燃焼室からカーボンファイバーホイールに至るまで、パワーを向上させ、軽量化に成功した多くの特徴によって際立っています。そして、ビレット要素については言うまでもありません。結果、乾燥重量405.7ポンド、最大トルク115Nm/9,300rpmの208馬力エンジンのバイクが誕生しました。MVアグスタは驚異的な存在になりました。

世界最速のスポーツネイキッドの新たな進化のステップに貢献した要素の中には、ブレンボが生み出した技術的ソリューションの中でも原点にして頂点と言えるスタイルマ™もありました。スタイルマ™は、それ以前のキャリパーよりもピストンとパッド周囲が軽量化されているため、ブレーキフルードが占める内部空間がより小さくなるため、反応性が向上しています。キャリパー自体の剛性を損なうことなく、過酷な使用条件下でもブレーキ効率が向上します。Brutale 1000 Serie Oroでは、スタイルマ™が、制動力の理想的な組み合わせである、直径320mm、厚さ5mmのブレンボのフローティングディスクと同じくブレンボのラジアルブレーキマスターシリンダー16/21を握っています。

第4位:BMW HP4 RACE(215馬力)※

コンセプトバイクとしてEICMA 2016で発表されたHP4 RACEは、その後、750台限定で生産されました。プレミアム素材の使用、職人技の完成度、ハイレベルなコンポーネントの採用により、BMWは妥協なき真のレース仕様オートバイを実現しました。特徴の1つは、わずか7.8kgのモノコックカーボンフレームです。フロントホイール、リアホイール、フェアリングもカーボン製であり、世界耐久ロードレース選手権やスーパーバイク世界選手権の6.2および7.2仕様に近いエンジンが隠されています。パワーは215ps、最大トルクは120Nm/10,000rpm、満タン時の重量は171kgです。ありがとうBMW。

最大限のブレーキ性能を確保するため、ブレンボは、最も栄誉ある選手権で使用されている最先端のレーシングコンポーネントを採用しました。それは、GP4-PRキャリパー、アウターローターを低減したスチールT-Drive ディスク、Z04レーシングパッド、そしてMoto2でも使用されているビレットから作成したラジアルマスターシリンダーです。MotoGPキャリパーから派生したGP4-PRキャリパーはビレットから作られ、(摩擦係数を一定に保つための)直径の異なる4つのチタンピストンとレースオートバイ用に開発されたシールを備えています。HP4 RaceのT-Drive ディスクは、8本のT字型ピンが特徴的であり、より効率的なトルク伝達を確保し、過酷な使用条件下でも優れた耐性を発揮します。

※BMW HP4 RACEは750台生産されたレーシングバイクであり、道路使用の認可は受けていません。ただし、このランキングは、道路使用かサーキットかを問わず、世界で最もパワフルな量産オートバイ(そのため、プロトタイプや数十台の限定生産の機種は除く)に採用されているブレーキシステムを対象としているため、このランキングに含めています。

第3位: APRILIA RSV4 1100 FACTORY(217馬力)

アプリリアで初めて1078ccのV4エンジンを搭載したオートバイであるRSV4 1100 Factoryは、スーパーバイク世界選手権で7勝を挙げたプレミアムレンジであるRSV4の哲学の進化を象徴しています。カーボンウイング、エグゾースト用のチタン、鍛造アルミニウム合金ホイールを使用することで、アプリリアのエンジニアは、タンク満タン時のオートバイ重量を200kg以下に抑えることに成功しました。V4 1000よりもボアを大きくし、吸気バルブタイミングを最適化し、5速と6速のギア比をより長くしたことで、パワーは217ps、最大トルクは122Nm/11,000rpmを達成しました。アプリリアはそのレーシングのDNAを確立しました。

RSV4 1100 Factoryは、エンジンに加え、ブレンボとのコラボレーションによりシャシーの面でも進化しています。フロントには、ステンレススチールブレーキ面と6本のドラッグピンがあるアルミニウムフランジを備えたデュアル330mmフローティングディスクを使用しています。ラジアルマウント・スタイルマ™モノブロックキャリパーと30mm対向4ピストンキャリパーが、これらのディスクに作用します。これらのキャリパーには、構造および設計上の役割を果たす2つの隆起したリブがあり、上のリブに接続されるエアインテークによって補完されています。ブレンボは、ラジアルマスターシリンダーとリア2ピストン32mmキャリパーも供給しています。

第2位:Ducati Panigale V4 R(221馬力)

PanigaleV4 RはDucati Corseとのシナジーで開発され、エンジン性能からシャシー、エアロダイナミクスに至るまであらゆる面でレーシングの魂が吹き込まれています。90° Desmosedici Stradale R V4エンジンは、Desmosedici MotoGPに似たサウンドを奏でる燃焼順序を採用しています。新しい鍛造スチールクランクシャフト、アルミニウムピストン、チタンコンロッドにより、最高出力は221ps、最大トルクは112Nm/11,500rpmを達成しています。シャシーも軽量化され、フロントフレームとフェアリングがエアロダイナミクスを向上させています。MotoGP由来の電子機器も、スーパーバイク世界選手権での成功に貢献しています。

Panigale V4 Rの軽量化のため、ドゥカティはブレンボと共同で専用のスタイルマ™キャリパーを開発しました。このキャリパーは、従来のバージョンと比較して9%の軽量化を実現し、冷却効率を高め、一貫した性能を維持します。これらのキャリパーは、ブレンボ製の330mmフローティングディスクおよびラジアルマスターシリンダーと連動します。

※本来は214.1 hpのDucati Panigale V4もランキングに入りますが、同系列の機種のランクインを避けるため最上位のバージョンのみ紹介します。Panigale V4は、Panigale V4 Rと同じブレーキ仕様です。

第1位:カワサキNinja H2R(310馬力)

Ninja H2Rは、カワサキの複数の部門が協力して開発した機種であり、時代遅れと思われていた過給エンジンを採用している点でライバルと一線を画しています。スーパーチャージャーの改良でブースト圧を高め、Ninja H2Rの最高出力は310ps、加圧エアボックスでは326 hpに達します。この特別に開発されたスーパーチャージャーは、幅広いエンジン速度範囲で高い効率を発揮します。フェアリングはカーボンファイバー製であり、ミラーの代わりに小さいウィングが装着されています。

このようなじゃじゃ馬を制御するため、カワサキはブレンボの330mmセミフローティングディスクとスタイルマ™キャリパーのペアを選択しました。Ninja H2Rの以前のバージョンに使用されていたM50キャリパーもすでに優れいましたが、それと比較しても、30mm対向4ピストン・スタイルマ™アルミニウムキャリパーは、剛性を維持しながら9%の軽量化を実現し、より優れた冷却性(ブレーキフルードの温度が最大10%低下します)と優れた性能の一貫性を発揮します。このオートバイのために、ブレンボはこのモデルおよびハイパースポーツセグメントの他のカワサキモデルのための専用摩擦材も開発しました。

※本来は231 hpのカワサキNinja H2もランキングに入りますが、同系列の機種のランクインを避けるため最上位のバージョンのみ紹介します。Ninja H2は、Ninja H2Rと同じブレーキ仕様です。

結論

これは、オートバイの馬力だけの問題ではなく、ブレーキシステムがその馬力に見合っているかどうかも重要です。そのため、世界で最もパワフルな5機種すべてにブレンボのブレーキが装備されており、5機種中4機種にブレンボのスタイルマ™キャリパーまたはレーシングキャリパーが採用されているのは偶然ではありません。

上位5位に入っていない機種を使っている人は?

このランキングに入っている強力な(ブレーキ)性能を持つバイクを所有する幸運に恵まれなかった人は、ブレンボハイパフォーマンス製品を使用することでオートバイを改良できる余地があります。

ブレンボの卓越した技術的専門性を活用したこれらの製品により、ライダーは、サーキット走行に対応できるコンポーネントを使用して、オートバイの個性と性能を高めることができます。

たとえば、ブレンボRCS「コルサコルタ」ラジアルマスターシリンダーにより、ライダーは、路面状況、天候、個人の感覚、またはバイクに求めるフィーリングに応じて、強力なブレーキと調整されたブレーキのどちらにするかを選択できます。

スーパースポーツおよびTドライブラインは、スチールアウターローターと機械加工アルミベルでできたフローティングディスクを提供します。どちらも、オリジナル装備と同じ寸法でも、さらに大きいサイズでも提供できます。

最後に、ブレンボハイパフォーマンスシリーズは、より要求の厳しいライダー向けに、フロントおよびリアキャリパーのさまざまなラインアップを提供しています。