ベンチレーションホールの個数は、LMP1カーの場合、F1ほど多くはありません。ル・マン24時間レースでは、ブレーキシステムの課題がF1とは正反対だからです。つまり、いかに冷却するかではなく、いかに冷やしすぎないかが重要になってきます。特に夜間やセーフティーカーの先導中に冷えすぎないような対策が必要です。F1と同様にル・マン24時間レースのマシンも、ブレンボ製のカーボン素材のブレーキパッドを使用しています。パッドももちろん厚めで、24時間続くレースに十分対応できる仕様になっています。パッドとディスクの摩耗量は、F1の場合1mm未満ですが、ル・マン24時間レースのプロトタイプマシンでは、ディスクで3mm~4mm、パッドで8mm~10mm摩耗します。