MotoGP 2017イタリアGPのブレーキングをブレンボが徹底解説

2017/06/01

ロッシ、ビニャーレス、ロレンソ、マルケス、ペドロサ、ザルコが挑むブレーキの難所

前回のフランスGPでは残念な結果に終わったバレンティーノ・ロッシ。10万人を超すファンの熱い声援を追い風に挽回を果たせるか大注目の第6戦が、6月2日~4日にイタリアのムジェロ・サーキットで開催されます。

フィレンツェ近郊にあるこのサーキットは、1976年以来ロードレース世界選手権を開催してきましたが、1994年以降はここムジェロがイタリアGPの開催地として定着しています。ロッシがムジェロに初めて出走したのは1996年。以降カテゴリー通算で9回の優勝を果たしています。その間のブレーキシステムは、キャリパー、ディスク、パッドすべてブレンボ製です。

サーキットの全長は5,245メートル。トスカーナの丘陵地に設けられているため、頻繁なアップダウンがコースの特徴です。ブレーキをかけ過ぎて上り坂のコーナーに不十分なスピードで入るような走り方だと、逆に下り坂のコーナーではブレーキングが遅れてコーナーで膨らんでしまいます。

ムジェロはホームストレートが長いことも特徴で、全開催地の中で最長(1,141メートル)を誇ります。したがってマシンには強力なエンジンが必要で、当然のことながら、ストレートの伸びを最大限に生かせる最高性能のブレーキシステムも欠かせません。だからこそ、2017年はMotoGPの全選手がブレンボをチョイスしてシリーズに臨んでいるのです。
               


 

 

コーナーは14か所あり、コース全体に比較的均等に配置されています。アスファルトコースではブレーキディスクが高温に達しがちですが、コーナーが散らばっているためディスクには冷却の余裕があります。

ブレンボの技術者によると、ムジェロはブレーキの難易度が中ランクに分類されるサーキットです。難易度指数は1~5のうち3で、ル・マン(ただしストレートはムジェロよりかなり短い)も3です。他7か所のサーキットが3をつけています。


 
 

レース中にブレーキにかかる負荷

ムジェロには、カタールのロサイルのように時速217キロを超えるブレーキ区間が1か所ありますが、そこ以外は時速167キロ未満です。ブレーキの使用は1ラップで10か所、時間にすると28秒間で、レース全体の26パーセントを占めます。これは今シーズンの開催地では最も低い割合です。ちなみにヘレスでは33パーセント、ル・マンでは32パーセントとなっています。 減速度が1.3G以上のブレーキ区間が6箇所あり、平均すると1.15Gで、アッセンやブルノと同じレベルです。選手がブレーキレバーを引く力をスタートからゴールまで合計すると1トンを上回りますが、GP全体でみると下から4番目の値です。これに対し、ロサイルやヘレス、バレンシアでは力の総量は1.4トンにも達します。ブレーキレバーを引く力を1ラップあたりで換算するとムジェロの場合約42kgとなります。


 

最難関のブレーキングポイント

ムジェロの10か所のブレーキングポイントのうち、難易度が最高ランクにあたるのは1か所で、難易度中が5か所、残りの4か所が難易度低です。

難易度が最高ランクのコーナーは、ダウンヒルセクションの最終部に待ち構えるサン・ドナート(第1コーナー)です。ここへは時速220キロ(スリップストリームではさらに若干高速)でアプローチし、一気に時速56キロまで減速します。このときのブレーキ操作は5.2秒間、走行距離は288メートル。減速度は、ポルシェ911 GT3の減速度を0.18G上回る1.5Gという驚愕の値に達します。ブレーキレバーにかかる力は約5.4kg、ブレンボのHTC 64Tブレーキフルードの圧力は約0.93MPaまで上昇します。

この圧力上昇は第10コーナー(スカルペリア)と第12コーナー(コレンタイオ)でも著しく、約0.95MPaに達します。これはスパークリングワインのボトル1本分の3倍に相当します。どちらのコーナーも時速149キロ未満のスピードでアプローチし、ブレーキレバーの操作は時間にすると4秒未満ですが、かける力は約5.49kgと非常に大きくなっています。

第15コーナー(ブチーネ)もブレーキの要所として見逃せません。ダウンヒルセクションにあるため202メートルものブレーキングが必要です。4.2秒間のブレーキ操作で進入時の時速164.7キロから時速67.1キロまで落とし、減速度は最大で1.5Gに達します。

 

 

ブレンボの戦績

イタリアGPでは、ミサノ開催の1993年以来、ブレンボブレーキ搭載のマシンが24回優勝を続けています。つい2週間前のことですが、ブレンボは、500ccクラスから通算で22年連続のMotoGP制覇を達成して喜びに沸きました。ブレーキシステムはタイヤとは違って各チームがベストだと思うものを自由に選択できます。それを考えれば、これはまさに驚くべき偉業です。

イタリアGPはホルヘ・ロレンソが直近の6シーズンで5回の優勝を果たしていますが、移籍したドゥカティでも同じ結果を出せるのか、注目の戦いがまもなく始まります。


 

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