2017/04/18
これまでは私たちのブレーキシステムについてのお話をしてきましたが、実はブレンボではレースの成績を少しでも良くしたいと願うドライバーのために重要となるその他のアクセサリーの生産も行っています。そこで、今日はトラックやオフロードのどちらにおいても効果的なパフォーマンスを見せる私たちの新型ペダルボックスについてお話ししたいと思います。
直近のオートスポーツインターナショナル(バーミンガム)で紹介されたこの新しいペダルボックスは、その重量と卓越した性能の面で際だった改善を見せています。完成にこぎ着けるまでの数ヶ月にわたってブレンボでは何十もの試作を繰り返し、コンピューター上で性能比較を行って研究を続けました。 こういった努力を続けていくうちに少しずつ重量の軽減が行われ、現在の最終的な試作品ができあがりました。これは現在の市場で流通している他のどの製品より約1 Kg軽くなっています。1 kgの軽量化と聞いても、普段あまりペダルボックスに興味のない人には大した数字に見えないかも知れませんね。しかし新サンプルがたったの2.42 kg(マスターシリンダーは除く)であることを見れば、これは非常に大きな数字です。 もちろん、この軽量化でペダルボックスに必要な剛性が損なわれることはありません。軽量化は、ブレンボのエンジニアが必要な材料を必要な場所にのみ厳選して使用し、一切の無駄を排除することで実現しました。
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?タッグを組んではや40有余年。ブレンボとフェラーリのコラボが始まったのは1975年。F1のスクーデリアチームへ鋳鉄製ブレーキディスクを供給したことがその最初でした。 フェラーリのF1マシンはもちろん、GT選手権の参戦マシン、さらにはヨーロッパ、北アメリカ、アジア・パシフィックの各フェラーリ・チャレンジで使われるマシンも、ブレーキはすべてブレンボです。
ペダルボックスの重量を軽くできた1つ目の秘密は、従来のY型のペダルをI型に変えたことにあります。また、もう1つのポイントは、ラリーやレースでの使用頻度の低いクラッチペダルを軽量化したことです。 加えて、ブレーキペダルとクラッチのヒンジとなる通しピンの質量も軽減されました。ここまでやればもう十分と思われるかもしれませんが、まだまだ終わりません。ブレンボは更にプレートのジオメトリを変更してヒンジ・ポイントの数も減らすことにしたのです。 ブレンボの新型ペダルボックスは、技術的ソリューションによってメインフレームとブレーキバランス間のY字レインフォースメントをはじめとするコンポーネントのキネマティクスの最適化にも成功しました。また、「ブレーキ-クラッチ」グループの通しピンが1本配置されたことで剛性が強化されています。
?WRCマシンの車両規定が変わったことで、ブレーキシステムにも影響が及びます。新型マシンでは最高出力が80馬力も増え約380馬力まで上がっています。 パワーの増加に伴って車幅も広くなりました。リアウィングやフロントバンパーに加え、リアディフューザーまでも大型化させて対応しています。当然、コーナリングのスピードアップは必至です。
「アクセル」グループには電気的冗長性を持ったセンサーが備えられ、メインシステムが万一故障したとしても加速がスムーズに継続できるようになっています。更に、フレームは「ブレーキ-クラッチ」グループから分離しているのでコンポーネントの配置を独立して行うことができます。 カスタマイズを容易にするため、両グループのペダルとシヤーはフルアジャスタブル方式。それだけかって?もちろん違います。アクセルスプリングは剛性が選択可能な上、マスターシリンダーにも様々なバージョン/寸法を用意しました(すべてプッシュタイプ)。そしてもう1つ注目すべきは、性能部品。例えば各マスターシリンダーでは無効ストロークをコントロールおよび補正することができます。
そして「ブレーキ―クラッチ」ブロックのオプションとして非常に需要の高いリモートアジャスターは、2種類の長さを展開しています。事実、より多くのドライバーがこれを使用してフロント/リヤアクスル間のブレーキ配分を調整しています。 地に足を付けて。でも夢は大きく。 ブレンボのペダルボックスをどうぞ。