世界中で人気の超高級バイクが次々とブレンボを採用

2018/11/07

 ミラノ国際モーターサイクルショー(EICMA)2018 へのブレンボの出展は、技術の革新性で非常に際立 っていました。ブレンボ製パーツを採用する車種は次々と広がりをみせており、ブレンボのブレーキシステムの 設計・開発・製造におけるリーディングカンパニーとしての地位がいっそう揺るぎないものになっていることを 示しています。

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NEW SYSTEM FOR THE HARLEY-DAVIDSON TRIKE


ブレンボのハーレーダビッドソンへの供給はここ十年間続いており、2019 年シリーズのトライクにも引き続き 供給が決まりました。対象はフリーウィーラーとトリグライドウルトラの2 モデルで、ハーレーダビッドソン独自の スタイルは保ちつつ、最新技術を満載したリアブレーキシステムに仕上げています。


 

フロントには、32mm径4 ピストンの固定式キャリパーを1 組、リアには、タイヤ2 本とトライクのサスペンシ ョンシステムに合わせて、パーキングブレーキ内蔵の36mm 径フローティングキャリパーを2 組使用していま す。いずれも素材はアルミニウムで、焼結パッドを採用しています。 これらの大型車で(フリーウィーラーは492kg、トリグライドウルトラは546kg)、走行時用ブレーキとパーキ ングブレーキを常に効果的に組み合わせて使えるよう、リアキャリパーには四輪車の仕様を反映したパーキ ングブレーキの機能を持たせており、16mm 径の新型ブレーキマスターシリンダーと270mm 径7mm 厚の スチールディスクを組み合わせてシステムを構成しています。

 

 

新型ハーレーダビッドソン「ライブワイヤー」用ブレーキシステム

ハーレーダビッドソン初の電動バイク、ライブワイヤーのデビューにあたり、ハーレーダビッドソンが選んだのはブレ ンボでした。さかのぼること1 世紀を超えるハーレーダビッドソンの⻑い歴史において初めて、キャリパーにブレ ーキシステムメーカーのロゴマークを付けるという決断を下してくれたのです。 ライブワイヤーが採用したキャリパーは、フロントが32mm 径4 ピストンのモノブロックキャリパー、リアは 34mm 径2 ピストンです。モノブロック製法はブレンボがMotoGP で確立した技術で、鋳造アルミニウム のインゴットから機械加工によってキャリパー本体を削り出すため、構造的に剛性の高いキャリパーが出来 上がります。


 

カワサキH2 用STYLEMA®キャリパー


2017 年のEICMA における初公開で大好評を博したStylema®キャリパーは、カワサキが誇る最高モデ ル、ハイパースポーツシリーズのニンジャH2、ニンジャH2 Carbon、ニンジャH2R に採用が決定しました。 Stylema®キャリパーは、外寸を縮小し、ボルトも短く設計することで、前モデルが搭載していたM50 キャリ パーと比較して7%もの重量削減を実現しました。 素材はアルミニウム、ピストンは30mm 径を4 本使用しています。また、摩擦材はブレンボがカワサキ用に 特別に開発したものを採用し、パフォーマンスの持続性を向上させています。 形状に関しては、ピストン周りの空冷用スペースを増やすとともに、空気が中央のブリッジへ流れ出やすい デザインにすることで、空冷性も高めています。

 

 

スズキ・カタナ用モノブロックキャリパー


スズキを象徴するレジェンドバイク、カタナは、同名の1981 年モデルをそのまま受け継いで市場に再登場 しました。搭載したキャリパーは、GSXR-1000 で採用されているブレンボの純正キャリパーと同じ32mm 径4 ピストン・108mm ピッチのモノブロックキャリパーです。 このキャリパーのカラーはブラックですが、より勇ましい印象を与えるレッドのバージョンも用意しました。これら の塗装色は、いつまでも⻑持ちするよう何段階もの塗装工程を経て、さらに数々の環境試験を行ってあ らゆる状況下で色の耐久性を検証したうえで完成となります。

 

 
 

インディアンFTR 1200 用ブレーキシステム


アメリカの老舗バイクブランド、インディアンは、新たにFRT 1200 とFRT 1200 S を発売するにあたり、そ のブレーキシステムの開発をブレンボに依頼しました。 フロントには、32mm 径4 ピストン・100mm ピッチのモノブロックキャリパーに320mm 径5mm 厚のフロー ティングディスクを使用し、ブラックの18-19 ラジアルマスターシリンダーを組み合わせました。 リアは、34mm 径2 ピストンの固定式対向キャリパー、260mm 径5mm 厚の固定ディスク、ピストン径 13mm のマスターシリンダーで構成しています。


 

トライアンフ・ストリートスクランブラー用のフロントブレーキシステム


トライアンフが今回行ったストリートスクランブラーのモデルチェンジ。そのひとつが、ブレンボが新たに開発した ブレーキシステムの採用です。エンジンがパワーアップ(55 馬力から65 馬力へ)したため、その対策として ブレンボが不可欠だったのです。 ボンネビルをベースにしたスクランブラーのスタイルに最新のテクノロジーを融合させた今回のモデルでは、 34mm 径4 ピストンのアキシャルマウントキャリパーと4 個のブレーキパッド、305mm 径4.5mm 厚のディ スクを組み合わせて、制動力の高いシステムに仕上げています。

 

 

ロイヤルエンフィールド・コンチネンタルGT 用フロントブレーキシステム

バイク史が誇る最古の英国ブランド、ロイヤルエンフィールドが、フラッグシップモデルであるコンチネンタル GT で前面に打ち出した軽量性、スピード、そしてパワー。それらに貢献したのがブレンボのブレーキシステム です。30-32mm 異径ピストンのフローティングキャリパーに300mm 径のフローティングディスクを組み合わ せて、ロイヤルエンフィールドの要求に応えています。