スーパーバイク世界選手権2017のブレーキについて押さえておきたい7つのポイント

2017/02/24

 カーボンを限界まで切り詰めたスチール&アルミニウム製ディスク&キャリパー。決して目立たないが、必要不可欠のマグネシウムホイール

スロットル全開でトラックを駆け抜ける。スーパーバイク世界選手権を目前に控え、私たちは興奮を抑えきれずにスタートの瞬間を待ち焦がれています。レースに出場するのは7つのモーターサイクルメーカー。

いずれも今日のモーターサイクリングにおいてなくてはならない主要メーカーであり、見る人すべてに愉しさを約束してくれることでしょう。

SBKの愉しさを保証しているもう一つの理由として、今回新たな規則が定められて、これによって更に激しいオーバーテイクの応酬が期待できることや、ブレーキシステムがより一層効果的に機能するようになったことが挙げられます。


 

 
 

1) ディスクへのカーボン使用量の低減規制
                    
カーボンディスクを使用するMotoGPと異なり、スーパーバイクではスチール製ディスクの使用がはっきりと義務化されています。

実際に、2017年のSBK規則ではカーボンの含有量をディスクの総重量の2%以下に抑えるよう規定しています。

一方で、キャリパーについてはベリリウムの使用の禁止というMotoGPと同様の規定が定められ、SBKおよびMotoGPではいずれもインゴットから加工されたモノブロックのキャリパーが採用されています。


 
 

2) 小さいことは、良いことだ

ディスク径を320 mmか340 mmのどちらかからしか選べないMotoGPに対して、スーパーバイクのライダーたちは328 mm~336 mmまでの範囲で好きなディスク径を選択することができます。

ブレーキを比較的穏やかに踏み込むライダーであれば、重量の面で大きなアドバンテージを得ることのできる小径のディスクを好むでしょう。一方でブレーキを強く踏み込んで酷使するライダーは比較的径の大きなディスクを使います。

この場合、高い圧力をかけることができる反面、重量の問題を考慮する必要性が発生します。

また、スーパーバイクとしてはディスクの厚みも薄く、6.5 mm~7.1 mmとなっています。


 
 

3) ダブルグリッド制導入で期待されるブレーキングパフォーマンスの応酬

今年から、第2レースのスターティンググリッドが第1レースのレース結果と反転するフォーメーションとなっています。

つまり、第1レースで勝利したライダーがサードローのラストポジションからスタートし、第1レースの2位のライダーがサードローのセンターポジション、3位のライダーがサードローのファーストポジションに配置されるというものです。そこで空いたフロントローへは、第1レースの4位、5位、6位のライダーが配置されます。

そして残りのセカンドローに、第1レースの7位、8位、9位のライダーが来るという仕組みです。各ローの間に9 mの間隔があることを考えても明らかですが、第1レースで好成績を収めた「強い」ライダーがそのまま簡単に逃げ切ることはできず、勝利を手にするにはトップまで熾烈な争いを繰り広げて勝ち上がっていかなければならない構成となっています。

バイク自体のパワーにはそれほどの違いはないため、勝利の決め手は絶妙なブレーキング技術を駆使して先行するライダーよりいかに深くカーブの内側へ入るかにかかっています。


 

4)  ここはブレンボが強いんです

これまで、スーパーバイク世界選手権では、過去連続9シーズンを含めて25個のタイトルがブレンボのブレーキを搭載したライダーによって獲得されています。

直近の2シーズンにおいても、ブレンボブレーキを搭載したバイクが52レース中51レースで勝利し、26中25のポールポジションを確保しました。

この成績を見れば、2017年世界選手権に登録している21人のライダーの内の17人、実に81%がブレンボのブレーキングシステムを使用しているのは当然のことかも知れません。

 

 
 

5) トラックで確かめ、路上で使う

ブレンボにとって、レースは新しい技術の質や新素材のソリューションの効果を確かめるための究極的な試験場です。

ブレンボの行う数々の実験が目指すもの―それは、その製品を路上へ出し、毎日バイクに乗る人たちのドライビングエクスペリエンスをより良いものに引き上げることです。

ドゥカティ、カワサキ、アプリリアなど、モーターサイクル界をけん引する数々の素晴らしいメーカーがブレンボシステムの品質を認め、彼らのフラッグシップのロードモデルにブレンボを搭載していることは、決してラッキーな偶然などではないのです。


 
 

6) Bパッド

プロのライダーのレースバイクと同じコンポーネントを使うことができたら、ポールポジションを捕れるまたとないチャンスかもしれません。こんな特別な体験をさせてくれるのが、ブレンボのZ04パッドです。

Z04はスーパーバイク/スーパースポーツレースで使用される一方で、自分のバイクに取り付けてトラックを走りたいという一般のファンに向けても市販されています(詳細についてはhttp://moto.brembo.com をご覧ください)。.


 
 

7) ホイールのことも、忘れないでください。

ブレンボグループが、実は一流の軽合金ホイールのメーカーでもあるということを知っている人は少ないようですね。何のことを言っているのだろうと思われる方のためにご説明すると、私たちは「マルケジーニ」のことを言っています。

マルケジーニは世界中で有名になったブレンボのホイールブランドで、軽量さと性能、剛性、そして慣性によるローリングの低減を信頼性を犠牲にすることなくすべて両立させています。

鍛造マグネシウムから構成されるマルケジーニのリムはスーパーバイクの車両重量を抑えることに貢献し、特に方向転換時のハンドリング性能を高めています。

だからこそ、今回のSBKでもレイやサイクス、デイビス、メランドリ、ブラッドル、ハイデン、その他6人のライダーがこのホイールを選んでいるのです。