新型BMW HP4 RACEに用意された最高のブレンボ製レーシングパーツ

2017/06/29

 カーボン製のシャーシ(フレーム)で、馬力は最大215hp-BMWのHP4 RACEはトラックでの走行に特化して設計された、750台限定生産のスポーツバイクです。そしてこのバイクのためにブレンボが提供するブレーキングシステムには、世界最高レベルの技術が詰め込まれています。

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超高性能ブレーキの生産において常に絶対的な地位を守り続けるブレンボが、今回はBMWの新型マシン、BMW HP4 RACEのためにカスタムメイドのブレーキングシステムを製作しました。

リミテッド・エディション(750台限定生産)のBMW HP4 RACEは重量、そしてスピードの面でまさに「成熟した」レーシングバイクであると言えます。カーボンファイバーでできたシャーシはたったの7.8 kg。エンジンは、13,900 rpmで最大馬力215 hp、10,000 rpmで最大トルク120 N・mの出力を約束しています。

さらに最高の制動品質を確保するため、ブレンボは一連の高性能テクニカルソリューションを選定するとともに、世界中で開催される主要なチャンピオンシップで使用される最先端のレーシングパーツのみを使用してコンポーネントの製作を行いました。


           

 

 

HP4 RACEのようなスポーツバイクの場合、やはりMotoGPのコンセプトをベースに生まれたモノブロックキャリパーを使用することが大前提となるでしょう。GP4 PRはまさにそんなバイクにぴったりのキャリパーです(GP4 PR の「PR」は「プロダクションレーサー(Production Racer)」の意味)。

GP4 PRキャリパーはシングルブロックの本体に、レーシングバイク仕様のチタニウムのピストンとガスケットを備えたキャリパーです。 Tドライブテクノロジーを採用したスチールディスクやグッと引き下げられたブレーキングバンド、そしてZ04レーシングパッドなど、レーシング業界における金字塔とも言うべきこれらのブレンボ製品は、そのすべてがスーパーバイク世界選手権のために考案され、生まれたものです。

また、ラジアルブレーキマスターシリンダーも同じくシングルブロックで構成され、Moto 2で一般的に使用されている19 mmのポンプと18 mmのインターアクシスを採用しています。

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GP4-PR(プロダクションレーサー)

新型のGP4-プロダクションレーサーキャリパーの誕生は、ブレンボ製キャリパーの更なる大きな進化を示す出来事でした。その革新的な品質は、MotoGPにおける長年の経験からブレンボが生み出した、「位相最適化」*の技術によって実現されています。

この先駆的なソフトウェアを使用することでキャリパーボディのジオメトリを最適化させることが可能となり、従来のレーシングキャリパーの様式に対する定説に革命的な変化をもたらして、製品の技術レベルと性能レベルを同時に向上させています。

最新のCAD-CAM技術を駆使してビレット材から機械加工されたこのキャリパーは非常に軽量で、且つクラス最高の重量剛性比を誇っています。

キャリパーボディはセンターブリッジ構造で、この特性も製品全体の剛性の向上に貢献しています。

             


 

世界最高峰のバイクレースで積み重ねられたブレンボの経験は、ニッケルコートをまとったボディへダイレクトに反映されています。

ニッケルコートボディは単にコンポーネントの見栄えを良くするだけでなく、現状ですでに小さくなっている機械加工公差を更に縮小させ、性能と操作の精密性の両面で付加的なメリットを与えています。

モノブロックGP4-PRキャリパーは、寸法の異なる4本のチタン製ピストン(摩擦係数を一定に保つため)とレース用に使用されるコンポーネントで構成されて、制動時に最高の性能を提供できるよう設計されています。

GP4-PRはスーパーバイクで適用されるコンポーネントをすべて使用して作られた、レーシングキャリパーです。

*シミュレーション用の位相最適化ソフトウェアは、特定の参照ジオメトリに基づいてコンポーネントの剛性を示す数学的モデル構成に役立ちます。ソフトウェアは、反復的なプロセスの中でコンポーネントの動作をシミュレートすることで不要な材料を自動的に識別し、それらの排除を検討します。

結果的に新たなジオメトリが生まれ、使用材料に関する無二のソリューションやコンポーネントの性能、剛性、そして重量の最適化が行われます。

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T-Drive(Tドライブ)

SBKおよびMotoGPでの経験を基に生まれたT-Driveは、レース専用に開発されたブレンボ製ブレーキディスクの自然な進化を反映する次世代のコンポーネントです。

T-Driveシステムが持つ大きな特徴は、ディスク/ホイール間におけるブレーキトルクの革新的な伝達方法にあります。円筒状のブッシュが並んだ従来の構造は、ディスク上に配置されたT字ピン、そしてインナーベル上に形成された8つのスリットで置き換えられています。

ピンが持つこの特殊な形状は機械加工公差についての入念な研究の成果であり、このピンによって、特にレース中の極限的な状況下における熱および機械的ストレスへの耐性が高められ、より効率的なブレーキトルクの伝達が可能となっています。
                 


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ディスクとインナーベルの接続はT字コネクター(特許取得済み)によって確保され、これによりラジアルフロートとアキシャルフロートの両方が採用可能となるほか、ディスク全体の重量も軽量化されています。その結果、円筒型のブッシュを使用した従来のディスク/インナーベル接続システムと比較して乗り心地が格段に改善されました。

T-Driveのデザインによって実現したもう一つの大きな改善は、ディスクとパッドの効率性の更なる安定化と両者のアライメントの向上です。

これは制動面にSBKやMotoGPのディスクと同じ鋼材を使用し、更に様々な大きさのベンチレーションホールを新しいレイアウトで採用したことに起因しています。

また、制動面の幅も同じく最適化されました。具体的には、6.75 mmの厚さを維持したままバンドの幅を狭めることで重量とイナーシャを最小化し、バイクのハンドリング性能を高めました。

インナーベルには現行世代のレーシングディスクに合わせてアルマイト処理が施され、チャコールブラックの色調に仕上げられています。

また、インナーベルのロゴはおなじみの「ブレンボ・レッド」で彩られ、製品の魅力を増すアイテムであるとともに、製品のレーシングイメージを引き立てる重要なシンボルとなっています。


 
 

ブレンボレーシングZ04

ブレンボでは様々なレーシング仕様やその他の高性能のブレーキパッドを幅広くご用意しています。BMW HP4 RACEに使用されるブレンボレーシングZ04コンパウンドはレースに最適な設計で構成され、極限的な状況下においても最高の性能を確保します。

より優れたブレーキコントロール、システムの安定性、力強い制動力、高温への温度耐性、低摩耗、慣らしの容易さ―ブレンボレーシングZ04であれば、これらすべての要素を叶えることができます。ライディングではブレーキングシステムとの驚くほどの一体感を体験できることでしょう。

また、ブレンボレーシングZ04コンパウンドは多くのスーパーバイク/スーパースポーツの強豪チームに採用されているほか、現在ではスーパーストックでも使用が可能となっています。

その性能が広く認知され大成功を収めたブレンボレーシングブレーキパッド。現在では、プロ仕様のレーシングバイクはもちろん、市販車でレースに参戦したいファンのご要望にも応えられるよう考慮しながら、幅広い種類のバイクをターゲットにしてブレンボ純正キャリパーとともに広く提案されています。 ただし、ブレンボのレーシング製品は、レースやプライベートサーキットでの使用を前提として研究、設計、および製造が行われています。

このため、摩擦材に使用されるコンパウンドは毎日の通勤などの日常的な走行や公道での走行には全く適しておりませんので、ご注意ください。


 

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