ブレンボが新型キャリパーGP4-MS を発表 MotoGP のテクノロジーがいっそう身近なものに

2018/11/08

 ブレンボ製品の代表的存在、削り出し製法のモノブロックキャリパーから、ついにその公道 走行仕様がリリースされました。

MotoGP マシンのブレーキキャリパーを公道走行用に展開するなんて、なかなかできなかったことでした。 これに挑むことを決断したブレンボは、EICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)2018 で、削り出し製 法を採用したモノブロックキャリパーの公道走行仕様を初公開しました。


 

今回のこのGP4-MS キャリパーは、ブレーキシステムの開発・製造で世界をリードするブレンボが開発した 最新の製品であり、今後の公道走行バイクにとって高性能の基準となるものです。

 

サーキット走行愛好者はもちろん、愛車のキャリパーに最先端のクオリティを求めるすべてのライダーの皆さ んのニーズに応えるため、MotoGP 用に開発したモノブロック製法を採用したキャリパーが、GP4-MS とし てついに一般の市場に登場します。


 

30mm 径のピストン4 個を備えたこのGP4-MS キャリパーは、削り出し製法によるモノブロック設計、表 面のニッケル仕上げ、トポロジー最適化をベースにした設計など、MotoGP で採用されているブレンボのキ ャリパーならではの特徴をすべて盛り込むことによって、世界最高峰のレースで採用されているキャリパーの レベルまで性能を引き上げ、これまでの公道走行用キャリパーの概念を一新する仕上がりになっています。


 

剛性の最適化と重量軽減をめざす今後のブレンボ・レーシングシリーズのスタイルがこのGP4-MS キャリパ ーにも反映されています。


 

インゴットからの削り出し製法

MotoGP やスーパーバイク世界選手権で採用されているブレンボ製のキャリパーと同様に、今回の新製品 GP4-MS キャリパー(100mm ピッチ)は、アルミニウムインゴットから機械加工で削り出す製法で成形さ れています。 鋳造製法によるブレーキパーツと比較すると、インゴットからの削り出し製法では、機械的特性に優れ、高 温への耐性も高い素材を使用できるため、結果的にブレーキシステム全体の性能を向上させることができ ます。

モノブロック設計

これまでのGP4 シリーズとは異なり、今回のGP4-MS キャリパーでは、機械加工削り出しにモノブロック 設計技術を組み合わせました。つまり、素材に使用したのはアルミニウムのインゴットでした。これは今後の 公道走行車用のキャリパーにとって新たな設計の選択肢となります。

 

トポロジー最適化

ブレンボは過去40 年にわたりロードレース世界選手権の最上位クラスの優勝を支えてきました。その実績 をベースにしたトポロジー最適化ソフトウェアをフル活用することで今回の機械加工を実現しています。この ソフトウェアによって、キャリパー本体の形状の最適化が可能になりました。すべての加工プロセスにおいて、 剛性や軽量性の向上と高温時の変形に対する耐性の強化を図っています。

ニッケル仕上げ

今回のGP4-MS では、表面をニッケルメッキで仕上げている点もブレンボ製レース車用キャリパーと同じで す。見た目のスタイリッシュさはもちろん、厳格な機械加工公差を守れるため性能と操作性の精度が向 上することが、ニッケルメッキ加工の利点です。 ピストン内部と異物混入防止用の2 重のピストンシールを施してあるため、レース車仕様のキャリパーには つきものの定期チェックを必要とせず、いつでも気軽に公道走行が楽しめます。


 
Brembo pinze moto GP4-RS GP4-RX GP4-MS  

GP4-MS キャリパーは、ブレンボが提供する公道走行仕様キャリパーの中で、最高の性能を発揮します。 GP4 シリーズには、今回のGP4-MS モノブロックキャリパーのほかに、同じく削り出し製法によるレース車 用のGP4-RR モノブロックキャリパーと、同製法のGP4-RX ツーピースキャリパーがあります。


 

GP4-MS キットには、公道走行仕様・レース車用のいずれにも最適な高性能の焼結ブレーキパッドと、マ ウント用のパーツ類と説明書が含まれています。 また、キットには、人目を引く熱変色性ステッカーも含まれています。これは、MotoGP で各セッション後に キャリパーの動作温度をチェックするために使うツールです。 GP4-MS キャリパーは、スーパーバイク選手権やMoto2 で採用されているブレンボ・レーシングZ04 ブレーキ パッドもお使いいただけます。