ブレンボが分析するロシアGP

2016/04/28

 ソチサーキットでのF1のブレーキング難易度を徹底解剖

2016年F1第4戦が、4月29日~5月1日にソチ・オートドロームで開催されます。

 

ヘルマン・ティルケが設計したこのサーキットは、2014年のソチ冬季オリンピックの会場跡地を利用したコースです。全長は5.848 kmで、F1開催地としてはスパ・フランコルシャン、バクー、シルバーストーンに次いで4番目に長いサーキットです。

 

何度も使われたサーキットではないため、セッションを重ねて路面にラバーが乗ってくるほどF1マシンの挙動が改善していきます。また、10月開催だった過去2回に対して今回は開催時期が変わったことも未知の要素です。


 

レース中の路面の温度は、例えば2015年は25度~28度でした。F1が開催される21のサーキットを1~10段階で評価したブレンボの技術者によると、ソチ・オートドロームは、ブレーキに最も難しいランクのサーキットです。難易度指数は8で、モンツァと同じレベルです。>


 

レース中のブレーキングの負荷

                                 

ブレーキングに要する時間はレース全体の19%で、上海インターナショナルサーキットと比べると若干高い値です。減速Gは平均で3.7G。


 

これはハンガロリンクと同等で、上海とアルバート・パークの中間です。マシン1台がブレーキ時に放散するエネルギーは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズやバーレーンとほぼ同じ平均135kWhで、これはウズベキスタンに居住する国民1人が1か月間生活するのに必要なエネルギー量に相当します。マシン1台がブレーキを操作する箇所の数は、スタートからゴールまでの通算で630か所以上にのぼり、ブレーキペダルを踏む力の総量は71トンに達します。


 

これは、M1エイブラムス戦車1台とアグスタウエストランドAW139ヘリコプター3機を足した総重量に匹敵します。


 

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最難関のブレーキングポイント  

                                      
ソチ・オートドロームに12か所あるブレーキングポイントのうち、難易度高は3か所、難易度中が6か所、残りの3か所が難易度低のランクです。 最難関は、5.5Gの減速Gがかかる第2コーナーで、F1の10大難関コーナーのひとつです。


 

ここではドライバーはブレーキペダルに165kgの力を加えて、時速325kmから1.40秒で時速99kmまで減速します。第13コーナーもかなりの難所です。時速200kmを上回るスピードから124メートルの距離で一気に落とし、減速G は5.3Gに達します。


 

難易度中の6か所のうち4か所はサーキットの中間部分にあり、それぞれ119~133kgの力がブレーキペダルにかかります。 難易度が最も低いブレーキングポイントは第16コーナーで、ここでは18メートルの距離で時速16km分の減速を行います。


 

 
 

 

ブレンボの優勝数

                                      
過去に開催された2回のロシアグランプリでは、いずれもブレンボのブレーキを採用したマシンがポールポジションからスタートして、順位も1位と2位を獲得しています。