ブレンボがMotoE のサプライヤーに決定

2018/11/08

 電動バイクレース選手権へもブレンボは本格参入

​本日ブレンボは、新たに開幕するMotoE 世界選手権のエネルジカ製電動バイク用ブレーキシステムを正 式に発表します。MotoE 世界選手権は、電動バイクによるワンメイクレースで、2019 シリーズはヨーロッパ のサーキット5 か所でMotoGP、Moto2、Moto3 と同時開催されます。


 

ブレンボはすでにFIA フォーミュラ E 選手権に進出していますが、それに続くチャレンジとして、電動バイクレースの最高峰レースという新たな 舞台を迎えます。

Disco e pinza Brembo per campionato mondiale di MotoE 

 

スチールディスク
スーパーバイク選手権やMotoGP で培った技術を反映したスチールディスク「T-Drive」 (336mm 径7.1mm 厚)を、エネルジカ・エゴ・コルサ用の特別仕様に仕上げています。

 

「T」型に機械加工したローター上のピン8 本を、インナーベル外周の8 本のスリットに組み合わせることで、 ファスナースタッドをなくすことに成功しました。

 

この特殊な構造によってブレーキトルクの伝達効率を向上さ せています。

 

そこには製造工程の公差を徹底的に研究した成果が生かされています。

 

T-Drive ディスクは、極めて過酷な使用条件にも対応できるよう熱への耐性も強化されています。TDrive のブレーキシステムは、ラジアルフロートとアキシャルフロートのいずれも可能で、ディスクの総重量が軽 いため操作性が格段に向上します。

 

T-Drive ディスクは人気の大型スポーツ車にも装着が可能です。

 

 
 

GP4-PR エンブロックフロントキャリパー
インゴットからの削り出し製法で成形されたキャリパーで、 MotoGP でウェットコンディション用に2017 シーズンまで採用されたものです。

 

ピストンはチタン素材の異 径ピストンを4 個使用しています。 ラジアルマスターシリンダー– ピストン径19mm、レバーレシオ18mm

Z04 ブレーキパッド
スーパーバイク世界選手権をはじめ、スーパースポーツ世界選手権やMoto2 で採用 されているブレーキパッドで、愛車でサーキット走行を楽しむアマチュアライダー用に販売もされています。 摩擦⼒が高く、特にディスクの高温時に性能が持続するのが特徴で、フェージングが生じにくく、均一で高 い制動⼒がゴールまで⻑続きします。

 

レースに出走するエネルジカ製電動バイクにはクラッチがないため、クラッチマスターシリンダーを搭載しない ことも大きく違うポイントです。


 

​ブレンボのブレーキに加えホイールもマルケジーニ:エゴ・コルサの全車に対し、ブレンボから7 本スポークのア ルミニウム鍛造ホイールを供給する予定です。 バイク業界も、乗用車業界ほどではないものの、電動またはその他の新方式による環境に優しいモビリテ ィーを求めていて、電動バイクのみで競うこの新たな世界選手権は、そうしたバイク業界にパラダイムシフト が到来したことを世の中に高らかに告げるものです。


 

したがって、ブレンボは、新たに開幕するこの世界選手権を、ブレーキパーツの研究開発の場として非常に 大きな関心を持ってとらえています。これまでのカテゴリーと同様に、技術的ソリューションを準備して臨み、 シリーズを通じて繰り返し試すこの機会を活かして、近い将来、モビリティーといえば電動、という時代が来 たときにそのときの電動のバイクやスクーターに反映できるような技術の確立をめざしていきます。