カーボンセラミック・ディスク

 


高性能、最軽量


ブレンボグループは2002年から、自動車用途向けにカーボンセラミック・ディスクを製造しています。その最初のカーボンセラミック・ディスクは、フェラーリ・エンツォのために供給されたものです。

 

粉末、樹脂、およびファイバを、特殊かつ複雑な製造工程で混合することで得られるこの高性能材料は、1970年代から航空宇宙用途で、また1980年代からはモータースポーツで使用されてきました。


2000年以降、カーボンセラミックは、スポーツカーのブレーキシステムの製造にも使用されてきました。

 

 
 

 

 

 

2004年、カーボンセラミック・ブレーキシステムは、ADI(イタリア工業デザイン協会)による金のコンパス賞を受賞しました。カーボンセラミックは、性能(ウェット、ドライの両方)、重量、快適性、耐錆性、耐久性、さらには先端技術というイメージ面でも大きな利点を持っています。

 

2009年6月ブレンボは、SGL Carbonとの同額出資のジョイントベンチャーで、Brembo SGL Carbon Ceramic Brakes  を設立しました。同社は、カーボンセラミック・ブレーキシステムの開発、および乗用車および商業車のOEM製品市場専用のカーボンセラミック・ディスクの製造と商品化を目的としています。

Brembo SGL Carbon Ceramic Brakes は今日カーボンセラミック・ディスクの製造会社として、フェラーリ、マセラティ、アルファロメオ、アストンマーティン、コルベット、日産、レクサス、ゾンダ、マクラーレン、フォルクスワーゲン、ポルシェ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、ブガッティ、AMGなど一流メーカーの最高級車に部品を供給しています。


 


 

ドキュメンタリー: カーボンセラミック・ディスク

これはMAJ Productionsにより制作された「How It's Made」です。このビデオはこれまでにDiscoveryグループの様々なチャンネルで繰り返し放送されていますが、カーボンセラミック・ディスクができるまでの工程が分かりやすく説明されています。この映像はBrembo本社の近くに位置する Brembo SGL カーボンセラミックブレーキ工場(イタリア、ステッツァーノ)と、Brembo研究開発センターで撮影されました。


 

ブレンボ製カーボンセラミックディスク搭載の車種 :


 
パガーニ・ウアイラ

すべての場面で確保される高摩擦係数

パガーニ・ウアイラにはBremboカーボン/セラミックブレーキが搭載されており、このブレーキはニュルブルクリンクでのゾンダRを使用したテストで「最も過酷な状況において理想的な性能を提供できる」と評価されています。カーボン/セラミックブレーキの使用により達成された軽量化は、ウアイラがレース、そして日常のドライビングのどちらにおいても卓越した性能を発揮するのに大きく貢献しています。Bremboが製造する複合セラミック材はすべての使用条件、且つすべての速度領域で安定した高摩擦係数を維持します。これによりドライバーは適切な踏力でペダルを踏み込んでブレーキングをコントロールできるようになります。この重要な機能は従来の鋳鉄製ブレーキには真似できません。ブレーキキャリパーはメタルベルに接続されてホイールハブに直接取り付けられています。この革新的なマウントシステムは特許技術であり、またブレーキベルトとベル間に発生する伸縮変形を考慮した設計が行われているのも特徴のひとつです。このシステムは2つのブレーキシステムエレメントの素材に様々な熱膨張を発生させて行われた詳細な研究から生み出されました。更に、CCMカーボン/セラミックディスクの高温時における歪みの少なさはディスクとパッド間のカップリングを最適な状態に留めます。この高い品質レベルは長期間において熱ストレスに晒されると変形してしまう鋳造ディスクにはなかなか提供できません。更に、複合セラミック材の硬さは製品寿命の向上にも貢献しています。

フェラーリ・カリフォルニア T

鋳鉄製ディスクから50%の軽量化を実現

「カリフォルニア」のブレーキシステムはスポーツ性と快適性の完璧な調和を求めて設計され、Bremboフロント/リヤモジュールにカーボン/セラミックディスクを搭載しています。フロントの390mmカーボン/セラミックディスクには6ピストン型ピラーキャリパー(143cm 2パッド付き)、リヤの360mmカーボン/セラミックディスクには4ピストン型ピラーキャリパー(77cm 2パッド付き)がそれぞれ装備されています。
BremboのCCM(カーボン/セラミック材)製ブレーキディスクは鋳鉄製ディスクと比較して50%の軽量化を実現し、これは車両のばね下質量の低減にも効果を及ぼし、車両に優れた動的特性と抜群の快適性をもたらします。

フェラーリ488 GTB

メカトロニクスの活用による優れた性能の確保と圧倒的な美しさを兼ね備え、Bremboは488GTB用ブレーキシステムを完全なものに創り上げました。このシステムではパッドにかかるピストン圧から生じる高い負荷に対応するため、最高レベルの剛性そして変形に対する優れた耐性が9色のカラーバリエーションを持つピラーキャリパー(単一のアルミニウムブロックから加工)によって叶えられています。
リヤキャリパーの特徴は一体型エレクトリカルパーキングブレーキです。Bremboにより開発されたこのソリューションは伝統的な機械技術と今日のエレクトロニクスをキャリパーに融合し、ハイレベルなメカトロニクスの技術を活用して構成されています。Bremboは電子制御ユニットと制御ソフトウェアを一体型のコンポーネントとして開発し、パーキングブレーキを効率的に管理します。
そして最後にブレーキシステムを完成させるために必要となるのがBrembo CCMディスクです。複合セラミック材で構成されるCCMディスクとの組み合わせで最高のブレーキ性能を実現するため、このディスクには最適な有機材を含む摩擦材を使用するBremboブレーキパッドを幅広いラインナップの中から選出して使用します。

ラ・フェラーリ

新たな「エキストリーマ」キャリパー

ラ・フェラーリのようにスポーティな走りの使命を持ったスーパーカーのために設計され、Bremboの新型ブレーキシステムは革新的なデザインと軽量化、メカトロニクスの活用のすべてを実現しています。
この新たな「エクストリーマ」キャリパーが持つアグレッシブ且つ革新的な外観は、特にばね下質量の著しい軽減(3 kg以上)やペダルのレスポンス向上、更には燃料消費量の最適化に大きく貢献しています。また、このキャリパーボディはベンチレーション性にも優れ、30 ℃以上のブレーキフルードの冷却を可能にします。フロントキャリパーには6ピストン型、リヤには4ピストン型のキャリパーがエレクトロニックパーキングブレーキに一体化されていますが、これら2つのキャリパーは見た目としては同じものに見えます。 車両の横から見た場合にこれら2つの違いを見分けることはできません。そして最後に、Brembo CCMディスクでブレーキシステムは 完成します。CCMディスクは鋳鉄製ディスクと比較して50%の軽量化を可能にしています。

ランボルギーニ・アヴェンタドール

ブレーキキャリパー

そのシャープなラインがまるで未来から来たマシンのようなランボルギーニ・アヴェンタドールにはBrembo 6ピストン型フロントキャリパー/4 ピストン型リヤキャリパーが搭載されています。
世界をけん引する数々の主要カーメーカーの協力のもと設計されたBremboキャリパーのこだわりのデザインは、この最もラグジュアリーなモデルの外観へ完全に溶け込み、マッチします。